TECH NOWシステム開発
現在 (執筆時2020年) 、製品・サービスを提供するビジネスモデルが昔のそれと変わってきています。それも劇的に。
今回は、デジタルトランスフォーメーションというテーマで執筆します。
今から数十年以上前、どのようなビジネスモデルが主流だったのか。
それは、ウォーターフォールモデルで製品を企画し、設計、製造、販売というように一連の流れから利益を獲得するモデルでした。
利益を拡大するためには、物理的な販売拠点の拡大や製造コストカットなどが挙げられます。
製造コストカットについては、大規模な工場を作り大量生産することで実現され、さらには人材費が安い海外で工場をつくることもひとつの手法です。
メリットとしては、以下のことが挙げられます。
言わば、たくさん交渉したくさん製品をつくり、販売する、このサイクルを早くまわすことで利益の拡大が見込めました。
時代は進み、競合他社も現れると、このような考えでは破たんしてしまいます。
顧客に満足してもらうため、競合他社との差別化を図り製品の改良や新製品の企画を続ける必要があります。
ここで、ひとつの疑問が湧いてきます。
顧客は、どのような製品を気に入り、満足するのだろうか
さきほども述べたように、ウォーターフォールモデルでは、製品を企画し、設計、製造、販売します。
この一連の流れの中で顧客と関わる機会がどこにあるだろうか。
おそらく、最初(=営業・企画時)と最後(=販売)のフローではないでしょうか。
さらに言えば、その顧客は実際に利用してくれるエンドユーザーであるかまで確認すると言うまでもありません。
もちろん製品・サービスによりますが、物理的な販売拠点の拡大により、代理販売店や小売店などが商品を販売する形式が多いのではないでしょうか?
つまり、製品の時代の実態は製品主体のビジネスモデルだったと言えます。我々顧客の要求を追求するのではなく、大量に生産し幅広い販売チャネルを構築することで、できるだけ多く販売することを目指していました。
顧客は、どのような製品を気に入り、満足するのだろうか
この問いが、いかに難題であるか少しはイメージできたかと思います。
製品中心のビジネスモデルはダメなのか。
決してそんなことはありません。
ポイントは、消費者である我々の意識に変化が生じていることです。
製品やサービスにアプローチする我々の価値の捉え方が以下のように変化していると考えます。
このようなことを言われてしまったら、
「うちのブランドに誇りを持っている!なぜなら多機能で高品質だからだ!」
なんて言いたくても言えません。
製品・サービスをより良くすることは素晴らしいことですが、方向性を間違えると大変なことになります。
製品・サービスの企画において、上記のことを気になり始めたのではないでしょうか。
まさに、製品の時代からユーザの時代へのパラダイムシフトです!
上記3つを満たせるキーワードにデータが当てはまります。つまり、物からデータへの変換、デジタルトランスフォーメーションが知れ渡り始めます。
デジタルトランスフォーメーションにより新しいビジネスモデルが生まれました。
例えば、ネットフリックスは昔DVDレンタル会社でしたが、今はオンラインストリーミング配信サービスに転換し利益を拡大しています。また、ユーザを長期的かつ継続的に確保するため、ユーザ一人一人の閲覧履歴などを分析し、おすすめ動画を提供したり、定期的に新しい配信を提供したり、ユーザ視点のUI・UX体験の改善に取り組んでいます。
このように、ユーザ中心の新しいビジネスモデルとは以下のとおりです。
では、リアル店舗は必要なくなるのでしょうか。
そんなことはありません。結論から言うと、オンライン体験の拡張としてリアル店舗は絶大な効果を発揮しています。
インターネットの普及により、あらゆる製品・サービスに容易にアプローチできるようになりました。
リアル店舗に向かう顧客は、事前に目的の製品・サービスを調べている可能性が高いです。
この顧客の行動プロセスから例えば、Bonobos (男性衣料) は、Guideshops で実際に何も販売せず、客が店にある商品を気に入れば、Bonobos は後でそれを客に発送します。店の狙いは、客が実際に該当商品に触れられること、アドバイスを得られるということにあります。
つまり、店をただの在庫管理・販売のためだけに利用するのではなく、カスタマー・インサイトを獲得するために利用しています。
オンラインデータにより、顧客一人一人のアクセスを分析し、リアル店舗で商品の陳列などを整備することは、カスタマー・インサイトの良い例のひとつです。
また、たまにしか利用しないから購入するまでにはならない、という一部のユーザもいます。
ユーザ中心の時代にとって、彼らを見捨てることはしません。
そこで生まれたのがシャアリング・エコノミーです。
このようにユーザ一人一人にデジタル化されたIDを付与し、直接的に関わることができれば、カスタマー・インサイトの発見や顧客エンゲージメントの強化を実現することができ、結果として、次のアクションプランがより具体化することができるのです。
世の中には様々なデータが存在します。そのデータは、一部の人にとってはとても有益かもしれません。
このデータはこういう人たちをきっと救える!
という視点でアンテナを常に張っていきましょう。