2024.08.27
こんにちは。事業推進本部の明嵐です。
前回に引き続き、マーケティングオートメーションについてのお話となります。
前回のおさらい
前回はペルソナについての概要と、具体的にペルソナを設定するところまで解説しました。
ペルソナとは、ターゲットとなるお客様の特徴を詳細にまとめたキャラクターのようなものとなります。
例として、あるアウトラインをもとに、郊外で歯科経営をしている40歳男性というイメージでペルソナを設定しました。
今回は、フェーズの設定から各アクションの自動化について解説したいと思います。
2.フェーズの設定
カスタマージャーニーでいうフェーズとは、あるサービスに対して、無関心〜サービス開始に至るまでのお客様の状態を細分化したものとなります。
サービスによってフェーズの内容は異なると思いますが、参考までにクレジット決済端末の場合で考えてみます。
無関心:クレジット決済端末に興味がない、もしくは認知すらない段階
認知・情報収集:クレジット決済端末を認知し、情報を集めている段階
比較・検討:他社と同サービスについて比較・検討している段階
申し込み:サービス導入の意思を固め、申し込みをする段階
端末設置まで:クレジット決済端末の設置を待っている状態
サービス開始:クレジット決済端末が設置され、サービス開始となった状態
フェーズを細分化するためには、お客様の立場になって、無関心〜サービス開始に至るまでの思考・行動を想像することが重要です。
3.各フェーズごとにゴール、タッチポイント、お客様の行動、感情、課題の洗い出し
先ほど設定したフェーズに対して、ゴール、タッチポイント、お客様の行動、感情、課題について考えていきます。
それぞれの項目について、具体的な内容は下記のとおりです。
ゴール:次のフェーズに進むために必要な状態
タッチポイント:お客様との接点となりうる媒体やアクション
お客様の行動:次のフェーズに進むためにお客様が取りうる行動
感情:今のフェーズにおいてお客様が持ちうる感情
課題:今のフェーズのゴールに至るまでに発生しうる課題
ここでもお客様の立場に立って、可能な限り各項目について洗い出しすることが重要となってきます。
4.フェーズを引き上げるための各アクションを策定し、表に落とし込む
一例までに、先ほど考えた各フェーズのゴールに到達できるようなアクションを策定し、表に落とし込んでみました。
無関心 | 認知・情報収集 | 比較・検討 | 申し込み | 端末設置まで | 端末設置・利用開始 | |
---|---|---|---|---|---|---|
定義 | クレジット決済端末に興味がない、もしくは認知すらない段階 | クレジット決済端末を認知し、情報を集めている段階 | 他社と同サービスについて比較・検討している段階 | サービス導入の意思を固め、申し込みをする段階 | クレジット決済端末の設置を待っている状態 | クレジット決済端末が設置され、サービス開始となった状態 |
ゴール | クレジット決済端末に興味を持つ | 資料請求や問い合わせをする | 導入意思を高める | 申込フォームの完走 | 他のサービスに興味を持ってもらう | クレジット決済端末利用の定着化 |
タッチポイント | ・代理店 ・ランディングページ ・紹介 ・DM ・セミナー ・電話 ・メール ・TV、ラジオ ・SNS ・広告 ・患者 ・スタディグループ |
・電話 ・公式LINE ・ランディングページ ・問い合わせフォーム ・メール ・代理店 ・スタディグループ ・DM ・セミナー ・紹介 |
・電話 ・公式LINE ・ランディングページ ・問い合わせフォーム ・メール ・代理店 ・スタディグループ ・DM ・セミナー ・紹介 |
・電話 ・メール ・公式LINE ・問い合わせフォーム ・代理店 ・申し込みフォーム ・申し込み書類 |
・代理店 ・ランディングページ ・紹介 ・DM ・セミナー ・公式LINE ・電話 ・メール ・TV、ラジオ ・SNS ・広告 ・スタディグループ |
・代理店 ・問い合わせフォーム ・公式LINE ・電話 ・メール |
お客様の行動 | ・WEBで情報収集 ・ディーラーからの情報提供 ・セミナーやスタディグループでの情報収集 ・知り合いの先生へ情報収集 ・DMの確認 ・電話、メールでの問い合わせ |
・機能面の確認 ・価格面の確認 ・導入までの期間の確認 ・契約内容の確認 ・申し込み方法の確認 |
・他社の資料請求 ・会社の評判を確認する ・知り合いの先生へ情報収集 ・DMの確認 ・電話、メールでの問い合わせ |
・申し込み方法の確認 ・申し込み |
・WEBで情報収集 ・ディーラーからの情報提供 ・セミナーやスタディグループでの情報収集 ・知り合いの先生へ情報収集 ・DMの確認 ・電話、メールでの問い合わせ ・会社の評判を確認する |
・端末を受付に設置する ・端末の使い方について問い合わせ ・患者へ端末利用可能の案内 |
感情 | ・患者さまのためになるだろう ・キャッシュレスの時代だから ・精算業務の効率化に繋がりそう |
・初期費用、月額費用が掛からないのはいい ・手数料が安いかどうかは比較してみないとわからない ・端末のデザインは受付に合うかな? |
・比較対象が多くて難しい ・手数料だけで比較していいのかな? ・端末のデザインが気になる |
・申し込みに時間がかかりそう ・どこから申し込めばいい? ・意外と申込に時間がかからないな |
・端末以外にもサービスがあるんだ ・YouTubeとかセミナーもやっているんだ |
・端末設置はスムーズだな ・端末の使い方は簡単そう ・故障とかしたらどこに問い合わせればいいんだろう ・決済の管理はどこですればいいんだろう |
課題 | ・クレジット決済に対する認知度の向上 | ・比較対象が多く、比較に時間がかかる ・受付に端末を置くスペースの確保が必要 |
・他社と比較されて、選ばれない可能性がある | ・申し込み途中で離脱される可能性がある ・ネット申し込みに慣れてない方もいる |
・端末設置までに一定の期間がかかる ・接触回数が減る |
・問い合わせ先の周知 ・使用方法の詳細についてのご説明 |
アクション | ・歯科医院でもクレジット決済を入れる医院が増えているとお伝えする | ・業界シェアNo.1という事実をお伝えする ・受付の雰囲気に合わせた端末の提案をする |
・お客様のニーズに合った端末でのご案内 | ・申し込みをお電話で一緒に行う ・書面でも申し込み可能であることをお伝える |
・電話やMAツールで定期的に接点を持つ ・他サービスのご案内を行う |
・端末の資料や問い合わせ先を再度ご案内する |
ここでようやくカスタマージャーニーの作成が完了しました。
実際にはペルソナごとに細かく考えますので、もっと具体的な内容になることが多いです。
5.各アクションを自動化
最後に、先ほど策定したアクションについて、可能な範囲で自動化していきます。
例)
クレジット決済端末に関するメールをツールで自動送信。
メールに対するお客様の反応でフェーズを判断し、各フェーズに対して適切なアクションを追加で行う。
- メール未開封
→無関心フェーズ:タイミングを空けて自動的に別のメールを送る。 - メール開封し添付の資料をダウンロード
→認知・情報収集フェーズ:ダウンロードに連動して営業員に自動通知。すぐにお電話をして商談化を試みる。 - メールに対して問い合わせ
→比較・検討フェーズ:問い合わせに連動して営業員に自動通知。お客様のニーズを聞き出し、ニーズに合った提案を行う。 - 申し込みサイトにアクセス
→申し込みフェーズ:申し込みサイトへのアクセスを自動通知。申し込みの離脱が確認出来たら、お電話をして申し込みのサポートを行う。
マーケティングオートメーションツール(MAツール)を利用すれば、上記のように、メール送信の結果からお客様のフェーズを自動で判断し、適切なアクションをさらに自動で行うことが可能となります。
少し長くなりましたが、マーケティングオートメーションについて具体例も交えながらご説明しました。
実は、私たちもMAツールを利用して、日々こういったアクションを起こしております。
マーケティングオートメーションを知らなかった方にとっては、なかなか興味深い話だったのではないかなと思います。
今回はここまで。
次回は、最新のAIをもとに、マーケティングオートメーションの未来について考えてみたいと思います。